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主に編集後記とか、デンパな日記とか。
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昨日、親戚が泊まりに着てたので、そのついでに『急降下爆撃』を読み終わりました。


……いやはや、書いてあることが全て真実ならばとんでもない人でした。確認する術が無いのでどうしようもありませんが。
何がとんでもないかって、職務に対する異常なまでの情熱。まずここ。墜落しようと、味方が裏切ろうと、物凄い大怪我を負おうと、相手が新型戦闘機であろうと、旧型だけど数が物凄い多かろうと、総統命令に逆らおうと、片足が吹っ飛ぼうと、祖国ドイツを守る為に毎日出撃しています。
祖国を守る為に命令を守らないとは物凄い矛盾しているのですが、こうしないと「精神の均衡を保てない(原文より)」らしいと言っています。完全に中毒です。
それと、あらゆる物事に対して色々考えてる。自伝だから自然と文がそうなる傾向にあるとも考えられますが、一つの戦闘、あるいは出撃、戦友の戦死や新しい配属地の人々の生活、さらには戦争全体の流れにも一つ一つ細かな描写が書かれています。ただ、その出来事のほぼ全てがありえない話ばかりなので、現実味を帯びていません。

戦争用のプロパガンダ本なんじゃないかとお思いの方、それは決してありえません。何故か。ルーデルはエアリーディング、いわゆる空気を読むスキルを持っていないからです。作中、どう見てもヒトラーが自分で立てた作戦を、偶然呼ばれた高官会議で「部隊配置が理に適ってない」と見事に論破してしまうシーンがあります。その時の文章には、「閣下は苦虫を踏み潰していたかのような顔をしていた。一体何処の誰が、命令を間違って伝えるような裏切り行為をしているのだろうか」と書かれています。違うよ、閣下が不機嫌なのはアンタのせいだよ……。
そういう訳で、彼にプロパガンダは書けません。そもそもこの本が出版されたのは戦後です。ナチス狩り真っ只中です。そんな時にこの戦争は正しかったとか、共産主義全否定とか、英米バカジャネーノ?とか書いた本を出版するって、何考えてんだ。


まあ、読後の感想としては、「何が何だかさっぱり分からなかった」と言うのが精一杯です。感想になってないと言う突っ込みは勘弁してください。あんな常識離れした内容を見せ付けられて一発で理解しろと言うほうが無理です。
ただ、ドイツ軍人の視点で語られているので、アメリカ兵が物凄い悪役っぽく見えます。その描写を見ると、善悪の基準なんて簡単にひっくり返るもんだなぁ、などと思ったりもします。
そう思ってると次のページで、足の遅い戦闘機で2千回以上も出撃を重ねて生き残った事について『特に秘訣は無かったのだが……(原文より)』とか書くから困る。もう人間じゃないです。人外です。人じゃないなら人の善悪の基準がおかしくなるのも無理ありません。
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紅茶よりもコーヒーのほうが好きです。というか、どうしても紅茶が飲めません。劉度シリーズでの大当たりに調子に乗ってブログを始めました。更に調子に乗って新作をはじめました。
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