蔡文姫は美人なのか？

こんばんは。
明日の昼ごろには新作を上げられるかと思います。紙芝居は作り終えたので、後は編集するだけです。今回の紙芝居は中々の難産でした。世界史専攻なので、信長のセリフが中々浮かばないんですよね。後、乱を起こした理由もようやく分かりました。……え、今まで思いつかなかったのかって？ええそうですよ。見切り発車万歳。

さて、新作を作る休憩がてらに、前回登場した蔡文姫について調べてみました。
　蔡文姫の「文姫」は字で、列伝には蔡琰[王炎]という名で残っています。
　父親は蔡邕。董卓の下で文官として出世し、最期は董卓を称える発言を警戒した王允に斬られるという世にも珍しいお方です。この人を斬ったせいでアンチ王允の勢力が増したほど有名な文士でもありました。三国志Ⅸでは未登場ですが、三国志大戦で封印の計を持って涼勢力に参戦。脳筋だらけの西涼軍を計略から守るというありがたい仕事をやっておりました。
　さて、話を文姫本人に戻しましょう。彼女は三度結婚しております。一度目は河東の衛仲道という人物が相手でしたが、子供が出来ないまま夫が死んだので実家に帰ってきています。それから実家が匈奴に襲撃されて、左賢王劉豹の側室となりました。随分と愛されていた様子で、戻ってくる１２年の間に子供を二人出産しています。なお、『後漢書列女伝』には興平２年（195年）に拉致されたと記していますが、『後漢書集解』ではこれを初平２年（191年）の誤りとしています。初平２年の場合まだ董卓は存命中で、蔡邕も生きている為匈奴が乱入してくる可能性は低いと思われます。
　さて、戻ってきたのは12年後、曹操が漢の政権をほぼ掌握していたころです。文人・蔡邕の血が途絶える事を惜しいと思った曹操は、匈奴に交渉を持ちかけて蔡文姫を取り返しています。この時は財宝と引き換えだったと聞いていますが、時々玉璽を渡したと書いてある文献もあります。
　ここで問題が一つ。帰ってきた蔡文姫に、曹操は同郷の董祀と結婚するように命じました。
　お前が結婚するんじゃないのか、えぇ？
　いや、幾ら宛城の事件があったとはいえ曹操ですし。人妻だから遠慮したって？雛氏と甄姫の事を思い出してあげてください。それにこの後事件が一つ起こるんですが、その時も曹操らしからぬ冷たさを見せるんですよね。相手が美女だとしたら幾らなんでもそれは無いだろうという事で。
　つまり、当時の本人には非常に悪いと思うのですが、その……あんまり美しくなかったと。それも、孔明の嫁さんみたいに特筆するほど不細工でも無かった、中の下ぐらいの女の人だったと。史書にも美人とも醜女ともかかれていませんでしたし。まじで文才だけで表舞台に上がってきたみたいですね、このお方。
　まあ当時の基準なんて今の私達には分かりませんし、平安美人の例もある訳ですし、現代基準ならきっと……いや、せめて容姿ぐらいは史書で突っ込んでほしかったなぁ。


　さて、最初の旦那さんとは不仲っぽかった蔡文姫さんですが、三国志大戦シリーズでは皆勤賞です。１から通して出場しているのは、魏の飛天蔡文姫。飛天デッキのメインダンサーです。彼女のお陰で一時は魏が異様に強くなりました。最近じゃそうでもありませんが。イラストは毎度毎度寝てました。父親の書物を書き写して疲れてしまったんでしょうか。ひたすらのんびりしています。
　二人目は、２時代に登場した涼の望郷蔡文姫。望郷の詩は範囲内の武将に毒ダメージを与えるというもの（ひょっとしたら城壁削りかもしれません。記憶があいまい）。彼女の書いた悲憤詩が元ネタなのでしょう。イラストも悲壮感を漂わせた女性、と言ったものでした。……しかし、望郷の詩を望郷の「歌」と勘違いしたプレイヤーが暴走。相手にダメージを与える歌という事で「ジャイアン」という不名誉な呼び名がついてしまいました。
　そして３でやってきた３人目は、何と漢の軍師カード。再起興軍と封印縛陣という使いやすい特技を備えています。……が、何故か着てるのはウエディングドレス風の衣装。おまけにカードを初使用すると「ふつつかものですが、よろしくお願いします」という始末。……３回結婚する羽目になったのを嘲ってるのか、ええ？
　とりあえず最近の蔡文姫は萌えに走りすぎて薄幸感が足りない。もっとイラストに悲しさを持たせることのできる人を雇うべき。